最近読んだ本たち

お出かけが多かったので、電車の中で読める軽い本ばかりに目がいったが、どうも共通して「自分探し」に疑問を投げかける本達であった。

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

益田 ミリ / 幻冬舎

コミックエッセイなのに、真実をついているよなあ。
同年代の女子限定の共感かもしれないけれど、ほっとした。
ほんと、自分探しなんてばからしい。

ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)

たかの てるこ / 幻冬舎

外国で一人旅をしたことはないけれど、なんか、しみじみ自分の沖縄の思い起こした(スケールが全然違いますが)
マレー語で「ありがとう」というのは「愛を受ける」という意味なのだという文章に、心打たれる。
この文章に出会えただけで読んだかいがあった。

楽園のしっぽ (文春文庫)

村山 由佳 / 文藝春秋

あまり好みではないこの女性の、でも生活ぶりに魅かれて読んでしまう。
動物達との暮らしも、考え方も、いいなあいいなあと思うのに、やっぱりなんとなく腑に落ちないなあ。こういうのって、何が決定的に好き嫌いを分けるのだろう。
美しい牧場の写真を見て心底憧れながら、何か美しくないものを感じ取って、途方にくれてしまった。そういうの、よくある。

長い移動距離の間にぱぱぱっと手に取った本の、共通するアイデンティティ模索というテーマの中で、私自身、今は自分の内なる方向への旅は、ひとまず終わったのだなと実感した。
うじうじ自分自身について悩んでたって、世界は見えてこない。
ガンジス河までは行かなくてもね、ちゃんと私は世界を泳ぎたい。
そう思い始めた自分と、自分の回りの見事なくらいの風向きの変化に、ちょっとおどろきながらも嬉しくなっている。


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