発酵の町

今年の夏は、「喜多方発21世紀シアター」に初参加。
喜多方の文化センターを中心地にして、町の蔵や幼稚園、小さなスペースを劇場にして、4日間に渡ってお芝居やコンサートを同時多発で上演するというおっそろしいイベント。
70本くらいの作品が出ていたのではないかな。
そこに2作品初参加して、スタッフとして同行。

無口だけれど暖かいおもてなしのボランティアさんが沢山いて、公演のお手伝いをして下さる事にまず感動。
そして、喜多方ラーメンしかしらなかった町中に一歩足を踏み入れると、そこには無数の蔵があることに、また感動。
醤油、味噌、日本酒の発酵蔵…もう発酵食品大好きな私としては大興奮!

町を見れば、喜多方は発酵の町でした。
自分でも味噌や梅干しや天然酵母パンを作るからそう思うのかもしれないけど、
発酵は、手をかけない時間の中に価値がある、と思う。
じっくり準備をして、丁寧に下ごしらえをして、それでも一番メインは「ちゃんと気にかけながら放っておくこと」

いじりすぎればカビが生え、かといって無頓着になってもカビが生え…とにかく発酵の力を静かに支えるのが人間の役目。

そういうもの作りをしてきたからなのでしょう、喜多方は派手な事のなんにもない静かな町でした。
飛び込みで行った居酒屋も、蔵カフェも、ラーメン屋も、全部アタリで、シンプルで人間味あるもてなしを受けたし、おんなじように静かなスタッフが、公演をサポートしてくれた。
過干渉せず、そっと見守って必要な所に手をかけてくれる、そんな町だからこそ、21世紀シアターという大掛かりなイベントも上手に発酵しているのだなあと実感。

これは、ホールだけで公演していたら分からなかった。
町を見たから、歴史ある蔵の中で公演出来たから、その気質とイベントに共通するものがみえてきたのかもしれない。
そしてそれは、今スピード勝負でモノを出したり売ったりしてる今、すごく大事な気質かもしれない。
合間にはたくさんの上演作品も見て、さらにその思いを強くした。

太陽や空気や水や時間がかけてくれる魔法を、おおらかに受け取るような、発酵食品づくりみたいな作品づくりを、自分の居場所に立ち返ってやっていきたいな。

素敵なたくさんの出会いに感謝。

今年の味噌作りの研究のために買って帰った生味噌、うちの天然酵母パンに混ぜ込んで、和洋折衷新作?挑戦が始まっております…


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。