あそびと平和は一直線上に

レコーディングなどでお世話になる事の多い音楽センターのプロデューサー中根康則さん、
常々ちょっとおもしろそうな方だなと思っていたのですが(失礼!)
講演会!をするというので、行ってきました。

憲法9条をめぐる動きと、つながりあそびうた(保育の現場で実践されているあそびの研究会のようなもの)について。
関西弁で陽気に分かりやすく、それでいて感情的ではなく冷静に説明してくれる講演。いいな。

安倍さんが第一次安倍政権の時から、着実に憲法改正の動きをしていたこと、
そして今その動きを強めていることなどが分かりやすく説明されましたが、
中でも印象的だったのは、
安倍さんは政治生命をかけて、本気で憲法改正に取り組んでいるんだということ。
彼はずっとぶれずに、憲法を改正し、軍を持ち、天皇を元首とした強い国家を創りたいのだと本気で思っているという事。

なんだか私は目が開かれるようでした。
どんなに意見が違おうが、ひどい事だろうが、本気で取り組む人をバカにはできないぞ。
つまり、リップサービスで言っている人にくらべ、その思いははるかに強いエネルギーを持っているという事なのだ。
その本気度には敬意を払いつつ、反対する側も本気で向き合わないと行けないのだと思いました。

そしてそれに対抗する、本気で平和を貫こうとする人たちのたおやかな言葉の数々やユニークな活動を紹介しながら、中根さんはその状況を絶望していない、希望があると語っていました。

絶望感をあおり、相手は言葉の通じないモンスターのように扱うアンチのなんと多い事、
私はそれを目にする度に、主張は賛成なのに彼らに味方する気がなくなってしまうのですが、
論理的に冷静に物事を見た上で、自分で考え、相手に敬意を持ち、それを本気で壊しに行く、
そういう伝え方が、固まった意志をもたない多くの人たちの気持ちを動かしていくのだろうと、
中根さんの語り口を聴きながら感じました。

まじめな講演の終わった後には、早速、つながりあそびうた研究所の面々による本領!遊びうたコンサートがはじまり、
手をつないだりじゃんけんしたり、スキンシップしたり、と大盛り上がり。
政治の話と、遊びは一直線上にある、それを実践し続けている人がいるというのは、確かに希望でした。
経済活動とは違う次元で展開される遊びや文化(音楽、スポーツ、アートなどなど)を通して、
わたしたちは自ら考え、感じ、仲間と繋がる事を喜べるようになり、
そこで生まれる人との関係の中で自分を肯定し、自分と他人を愛することを学ぶのだと思います。

そういう人が増えていく事しか、この時代を切り開く力はないのだと、やっぱり思いました。

芸術は言葉にならないもの。
イデオロギーを直接伝えるための手段ではない。
けれど、社会と繋がる力があるし、それが絶対に必要、という意味でも、
たまにはちゃんとこういう勉強会、顔を出したいなと思いました。


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