絵の中に迷い込む

会期ギリギリの宇都宮美術館へ、日帰りプチ旅兼ねていってきました。
「パウル クレー だれにも ないしょ」
絵を見るためだけに、遠出をするの(大した距離じゃないが)私にはとっておきの贅沢です。

ピカソと並んで、私一体何度見ているのでしょう、パウル・クレー。
初めてこの人を知ったのは、まだ10代の頃だったか、
谷川俊太郎さんが詩をつけた「クレーの絵本」。
谷川さんの詩が大好きで買ったのに
なんだか、詩が後追いというか、追いついてないというくらいの絵の力にびっくりしたのでした。
(もともと、絵に詩を付けたのだから、当然です)
その本はなぜか手元にはないのだけれど、あれ以来、名前を見つけると観に行くように。

絵の説明はしたくないし、解説なんて意味ないけれど、
クレーの絵は、私はいつも迷いこんでしまう。
焦点がうまく合わなくて、吸い寄せられるように絵の中に入って、
ぐるぐると目眩がする。
船酔いのようになって、休憩をはさみながらの鑑賞。

印刷物だとぜんぜんそんな事ないのにな。
生の絵は、見ているうちに地軸が変わるというか、
どっちが現実の世界か、今がどこなのか、わからなくなるような感覚がある。

謎めいた絵の意味を知りたいと、つい脳みそが働いちゃうのが、
あるときそのスイッチが切れて、言葉が消える、そこからが危険(笑)
ちょっとドラッグなんじゃないかと思ってしまう絵なのでした。

刺激が強いわけじゃないのに、なんか圧倒的なので、しばらくいらないけど
でもきっとまた観に行ってしまう。
しかも、きっといつかパウル・クレー・センターへ観に行ってしまう(笑)
絵をみるためだけに、遠出(贅沢〜!)


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