都会の真ん中で手をつなぐ

なんとなく、今まで自分の知らなかったイベントにでかけていきたい、
と思い、前から名前だけはチェックしていたフェスティバルトーキョーのオープニングイベントへ
ちょこっと行ってみる。
リニューアルされた大好きだった劇場、池袋芸術劇場の前の広場に、
様々な布を繫ぎ合わせた大風呂敷が敷かれ、櫓が組まれ、舞台がある。
そこで、なんと大友良英バンドの生演奏で盆踊りをやるらしい(笑)

その前にもたくさんのフリーライブタイムがあったみたいだが、
私が到着したのは、遠藤ミチロウさんのステージ終盤。
「フェスティバルトーキョー」なのに、東京五輪はいらないとか原発いらないとか安倍さんおちょくるとか、まだ言論の自由があったのか!今のご時世ちょっとドキドキ心配になるなあという叫びの数々。でも、ロックはカウンターカルチャーなのだと再確認。
多数派と同化するロックなんて、ロックじゃないよな(笑)

そしてしばらく後に大友さんバンド(かなりぜいたくなビッグバンドだったよ!)。音を聴けば、
彼らに愛と勢いがあって、けしてお仕事モードじゃないし、
プロジェクトFUKUSHIMAという活動をじっくり続けているらしいことが随所に伝わる。
繰り広げられる盆踊りはかなりがオリジナル、とはいえ盆踊り風を踏襲したリズムと古今東西入り交じる振付けでありました。
踊りの指導は珍しいキノコ舞踊団。
贅沢だなあ、と遠巻きに見ていたのは最初だけ、観る側もゆるゆると自然に巻き込まれて、踊りは大きな輪になっていました。

もちろんファンだから来ている人たちもいたけれど、通りすがりの人も多数。
ハロウィンとは全然違う仮装もない地味さで、お年寄りも子どもも交じって、飛び入りでもいつのまにか踊れるのは日本人に染み込んだ盆踊り文化ならでは。
そして、大都会池袋で知らない人の肩を持ったり手をつないでぐるぐる回るのは初めて。

なんだかね、リアルつながりあそびうたでしたよ。
若い人たちが一生懸命仕切っていて、いい年の大人たちも緩く見せつつきっちりそこにいて。
そして、若者が生み出しているおしつけがましくないその空気のなかで、一般の人たちは自然に他人と手をつないだのでした。

チケットを買って、特定の人が見に来る場ならわかる。
池袋でだよ、サラリーマンや親子連れが、ハロウィンのようなテンション高いイベントではなく、
なんとなーくゆるいこのイベントで、人とつながれることの不思議。
でもやっぱり根源的に、みんな人とつながりたいんだなあと痛感した時間。

本当に私は東京嫌いで、出来る事なら行きたくない場所ナンバーワンなのですが、
まだ東京にも希望があるのかなー、とくに若い人にはすごく希望があるのかなーと思いました。


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