『ボクらの羅針盤』

このところ、新しい風や刺激が欲しくて、学びたくて、人の話を聴きたくてたまらない。
というわけで昨年末からちょっとお世話になりはじめた
ミュージック・クリエーターズ・エージェントの主催の月一企画「みんなの談話室」に初参加。

タイトルがピンとくる!いい!
「2016年年頭に今一度見る、ボクらの羅針盤
~音楽ライター金子厚武さんと語る、自立するミュージシャンの可能性~」

今回は音楽シーンを第一線で見つめる音楽ライター金子厚武さんのお話を、主催の永田純さんのナビゲートで聴く。

音楽が生まれ、産業となった時代までさかのぼって、今がミュージシャンにとってどんな時代かを大きな歴史の流れの中で再確認すること、
そしてその中で、新しい流れがどんな風に進んでいるのかという分析。

さらに、今のミュージシャンがそれに乗って、もしくはそれを逆手に取ってどんなユニークな動きをしているのかという実例。

避けては通れないインターネットの使い方。

さらにさらに、ツールをうまく使いつつも振り回されず、何を大事にミュージシャンはこれからを進んでいけばいいのか。

レクチャーでも授業でもなく、それが正解な訳でもなく、
今ある状況と、その捉え方をシェアしようよ、というスタンスが面白い。

かなり濃くて盛りだくさんでしたので、
細かくは伝えられませんが、

永田さんがおっしゃった
「実力があって、なおかつ幸運を招く力がある人は今もちゃんと残っている」という言葉の説得力。

金子さんが
「いい音楽じゃなくて売れる音楽を出し始めて、CD産業はどんどん低下した」
同じく「いい音楽をじゃなくて、集客できる人を出し始めて、音楽フェスが飽きられてきた」
とおっしゃった事にも本当に納得。

主に若いポップスやバンドシーンの話が多かったけど、
どこでも一緒だ。きっと音楽じゃなくたって一緒だ。

選択肢がたくさんあるけど、
今再び音楽の実力や熱量が大事、というところに立ち返っているだろうという分析には救われる思い。

じゃあこれからどうする、という指針はあくまで自分たちの中にあるということを再確認して、脳みそも胸もいっぱいになって帰りました。

とにかくさ…時代はもう競争社会じゃなくなっている気がする。
インターネットも、要は選択肢がたくさん増えて、いいものもどうしようもないものも、プロもアマチュアも同じ土俵に立てるようになって、
問われるのは何を受け取るのかという、受取り手の意志やセンスや思想。
一人勝ちじゃなくて多様性が面白いのが現代。
資本主義至上主義は、やっぱり終わるよ。
もちろんまだまだ紆余曲折あるだろうけれど、そのまえにドカンと悲しい事も起こるかもしれないけど、やっぱり終わる。と確信しました。

それを指をくわえて待っているのではなく、新しい価値観、新しい世界に橋渡しをできるような動きを、どんなにささやかでもいいからしていきたい。
と改めて思う、「羅針盤の夜」なのでした。