真摯な取り組み@ちゃんぷるー

児演協主催の芝居「ちゃんぷるー」をみてきた。
子どもの舞台芸術に関わる団体が、それぞれの劇団の枠を超えて一つの作品を作る試み。
いいな、こういうの。

お芝居って、カンパニーならではのチームワークが強みなものもあるし、
プロデュース制で全然違う風が入ることの面白さもある。
どちらが優れているかではなくて、作品によって、その向き不向きも変わってくるように思う。

今回は、カンパニーでないメンバーで挑戦をしているからこその緊張感が、すごく伝わってきた。
違う表現スタイルを持つ3人の役者さんの個性の違いが、混ざりつつ馴染みすぎず、というバランスが作品の流れにふさわしく、主役一人を追いかけるタイプの芝居じゃなくて、誰を見ていても、良かった。

とはいえ、演出には作為が見えすぎて、ちょっと興ざめ。
「このシーンをこうみせたいんだな」と狙いがすぐにわかってしまう。
舞台セットや客席に、通常とは違う工夫が凝らされている分、アイディアありきのシーンが通常より多くて(・・「通常ってなんだよ」と自分でも思いますが)ちょっと残念でした。

私は、舞台ではアイディアを見たいのではなく、ドラマをしっかり観たい。

物語は非常にわかりやすく心砕かれている反面、子ども向けとはいえ、ここまでわかりやすくしないといけないのかな?と思う部分もあり。(ずいぶん直接的な音響表現とか、微妙な参加型?とか)

でも、こういう作品は、観客の目にぶつかり、影響を受け、意見を汲み取り、議論して変化して育っていく作品なのでしょう。
数日間、固定の芝居小屋で公演して終わってしまうのとは違う、育っていく楽しみが作品にもあるはず。
その余白を信じ、なによりこういう真摯な取り組みが、児童演劇全体を底上げするのだと信じ、
全国ツアーの後に、再び見てみたいと思うのでした。