私が暮らす「飯能」のこと

埼玉県飯能市に引っ越して数ヶ月、いや職場の音楽スタジオがあったので飯能にご縁ができて通うようになってからは13年ほどが経ちます。

私は今までどこに住んでも地域との関わりは皆無で、
とにかく住む場所は「寝るためだけの場所」。
仕事に趣味にと出かける先はいつも都心で、
知り合いも友人も住む場所に求めたことはありませんでした。
本当に、地元には何の関心もないタイプ。

ですが、ある日気がついたんです。
飯能の職場となっている(働き方としてはフリーランスです)音楽スタジオで行われていることが、全く地元に知られていない。
相変わらず出かけて行く仕事先が都内だったところから全国各地へと範囲は広がったけれど、足元の地元では誰も私の活動、どころか私の存在を知らない。
人に知られてなんぼの人気商売で、どれだけ他の地域に出かける機会が増えても、肝心の地元では誰にも関心を持たれてないなんて、なんてさみしいんだろう。
いやいやそもそも、地元でふらっと出かける場所もしらない、ふらっと会いたい人もいないなんて、人としてどうなんだ私。
ふと、そう思いました。

子どもや家族と住んでいない私にとって、
自然と地域とつながる方法なんて皆無です。

そこで、地域の人にも仕事場の音楽活動を知ってもらおうと、
10数人でテーマを決めて語り合う「いろりばた会議」や、地元に近い場所での自主企画公演などをスタートしました。

月一回のいろりばた会議を始めて最初のうちは、仕事仲間や友人が地元の外からかけてつけてくれていたのが、一年が経つうちに、地元の新しい参加者が8割を占めるようになりました。

そこで知り合った人たちと街で会えば挨拶ができて、忘年会や新年会に誘ってもらえて、カフェやイベント会場に行けば誰かしらに会える。
そんな生活を私は大人になってから初めて体験しています。
なんだか、やっと仕事以外の居場所を見つけた感じ。

地域活性なんてことは考えてない。
地域振興のために文化(音楽)を使おうとも思ってない。
地域に愛情があるかといわれても、正直そこまででもない。
けれど、地域が私にとってよそよそしい場所ではなく、何かあったら頼れる場なのだと思えるようになったことで、自分のできることで何かを返していきたい、とは思うようになりました。

私がささやかに暮らす地域のこと、地域の人たち、起こる出来事、そこから見えて来る全国共通の何かも、ここで時々書いていけたらなと思います。
そして私が働く場所のことも、時々。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。