人を立ち上がらせる力。

最近あらゆる所で公演案内を見る松元ヒロさん。
テレビで言えない話を舞台でするという彼が、今ひっぱりだこだというこの国は一体…
観たくてもなかなかタイミングと場所が合わないままでしたが、ようやく観に行けた先が、自由の森学園だなんて最高。
主催は自森9条の会「松元ヒロライブin自由の森」

彼の出身のザ・ニュースペーパーも私は好きで何回か観ているのだけれど、
彼のスタイルはちょっとそれとも違いました。
リアルニュースを再現というよりは、出会った人たちの事をおもしろおかしく話で紡ぐうちに、世相が見えてくるという感じ。
もちろん、政治への皮肉と強いメッセージはスカっとします。
あれだけ主義主張がはっきり熱くて、なお笑えるというのは、すごい。
でも、なんだか彼の真骨頂は、小沢昭一さんを語る時、笠木透さんを語る時の、人への愛と敬意にあるのだなと思いました。皮肉ではなく、人間らしい、愛らしい人を演じ語るときが一番泣ける。

圧巻の憲法くん。
短いシーンでしたが、言葉が立ち上がり、エネルギーを持ち、強い愛情と共に突き刺さりました。
言霊というのは、それを深く理解する人が全身全霊で伝えた時に、みえてくるものなのだなと。

そして、ユーモアというものは、人を勇気づけるなあと改めて思うのでした。
世の中を悲観することも、危険を煽ることも簡単だけれど、それだけでは人は動かない。
笑って泣いて心が震えた先に、やっと立ち上がる力が沸いてくる。
かといって、お行儀良く耳心地のいいキレイな感動的な言葉だけを紡いでいればいいのではない。
怒りの中にも、毒の中にも、哀しみの中でさえも、笑いがあるということが、みんなの心を開くのだと思いました。

さて、夏の大事な選挙まで、松元ヒロさんにはもっと飛び回ってもらって、
絶望した人に、無関心な人に、立ち上がる笑いを届けてもらいたいな。
そして、私は、私のやり方で。