英語字幕で楽しむおうち映画レビュー1「クレイマークレイマー(Kramer vs. Kramer)」

Netflixで「クレイマークレイマー」観ました。どうせ映画観るなら英語学習を一緒にしてしまえという英語字幕で一石二鳥狙いトライアルです。

この作品は、定番の父子ものストーリーですが、1979年公開!そんなに古かったのか、どうりでダスティン・ホフマンもメリル・ストリープも超若い。

Kramer vs. Kramer | NetflixTed is a career-driven yuppie whose wife leaves him and theirwww.netflix.com

実は私長いことメリル・ストリープがあんまり好きじゃなかったんですが、近年観る彼女の芝居のうまさにびっくりしてて、これは自分に彼女の魅力がわからなかったのか、メリル・ストリープが圧倒的にうまくなったのかどっち?と思っていましたが、この映画観てわかりましたよ。
1979年時点ですでに彼女の芝居は激ウマ。私が魅力がわかっておりませんでした(すみませんでした!)

多分、彼女は人間の嫌なところまで、まるで芝居ではないかのようにナチュラルに演じるから、本当に「嫌な人」に見えてしまうんですよ。しっかり騙されてました。

さて、メリル演じる母親が突然出て行ってしまい、ダスティン演じる仕事ばかりしてた父親が7歳の一人息子のジャスティンを育てるのに四苦八苦するお話。
ようやく二人の絆が深まった頃に、母親が息子と暮らしたいと言い出して、事態は法廷の場に。

今でこそ父親が子育てに関わるのも料理をするのも当然という認識になってきているけれど、40年前はアメリカでだって、父親は外で働き、母親は家事と子育てをするという価値観が当然だったんだな、そのことに時代の変化を感じました。

でも、どうにも母親が出て行くのが冒頭、突然すぎて、彼女の苦悩が一切描かれていないのが不思議で。もちろん後半の裁判では、彼女が結婚生活の中でいかに自分らしく生きられなかったかというのを切々と語っているのですが、それを象徴する出来事が冒頭にちょこっとあるだけなので、なんか母親に共感できない作りになってるんですよね。
設定が単純化されているというか。
この辺も40年前のパターンだったのかな。現代ならもっと「どっちの気持ちもわかって悶絶する」という、一段階複雑な設定になっている気がします。(なっててほしいです)

とはいえ、父親の葛藤と変化、子どもの変化はすごく伝わって、ちょっとぐっと来ます。仕事を立てれば家庭が立たない、両立することの難しさは父親であれ、母親であれ、今も変わっていないんだなと思うし。
それに、やっぱり子役の見事さ。本当に海外の映画の子役、昔からすごいレベル高いですよね。どうやってあのリアルさを演出したんだろうといつも思います。

タイトルの「クレイマークレイマー」、邦題は全然意味不明でしたが、原題では「Kramer vs. Kramer」
「クレイマー」はfamilly nameだったのか。この家族は「クレイマー家」。
だから、後半の法廷の父クレイマーと母クレイマーの対決、そして、激しくぶつかり合ってわかり合う父クレイマーと息子クレイマーの闘いでもあるように思いました。

ちなみに英語学習観点からいくと、特に前半、ダスティン・ホフマンのキレまくるトークは早すぎて全くついていけませんが、子どもとの会話や法廷での会話は、割とわかりやすいです。
シンプルなストーリーなので、映像から理解できる部分も多いのだけど、専門的な設定はあまりないのと、圧倒的に3人とも芝居がうまいので、英語で見ても十分感動できる。最後の子どもの舌足らずな英語は、字幕無くても伝わりすぎて泣くわーと思いました(笑)


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。